皆さま、猛暑が続いておりますが、お変わりなくお元気にお過ごしでしょうか。時候の挨拶では今は残暑お見舞いということになるのでしょうが、新暦は旧暦に比べると40日くらいずれています。
新暦3月3日の桃の節句は、旧暦では1月下旬にあたります。桃の節句に桃の花がないのは当然かもしれません。旧暦の方が自然の流れに沿っています。
ということで、今こそ暑中お見舞いの時期ということになります。年々暑さが厳しくなっていますが、人工的なことが原因で暑くなるのは地球始まって以来のことかもしれません。
1500~2000年前にもものすごい暑さが地球を襲ったらしく、海面上昇は1.5mにも及んだということです。
これは富山湾の底に沈む埋没林で分かったことですが、海底には杉や楢、ブナやハンノキなどの林がそのまま残っていて樹の大きさは直径3mもあり、これは魚津の埋没林博物館で見ることができます。
とはいうものの、この暑さがもたらす自然の変化には深刻なものがあります。永久凍土の溶解です。近未来には海底のメタンハイドレードの溶解。かつて多くの植物が腐食し堆積した凍土には凄まじい量のメタンが含まれています。その温室効果は二酸化炭素の23倍にもなるとのことです。
今更どうしたらいいの?
と思うのは私だけではないと思いますが、かといってこのまま温暖化を見過ごすのも無責任のそしりを免れません。
つまり二酸化炭素の削減による温暖化阻止はメタンの発生も抑えることになる以上、やはり本気で取り組むしかない危急の課題です。
電力会社が次々に値上げをしているのは、ご存じのとおり発電に大量の化石燃料を使うからですが、これが二酸化炭素の発生にもつながっています。
かといって原発がいいのかと言えば、個人的に絶対に「NO」です。一時的にはそれでしのいだとしても、後始末にいったいどれだけのリスクが生じるのか考えれば、決して安価なエネルギーなどというまやかしは通用しません。
しかも放射能汚染のリスクは取り返しのつかない、人類だけでなく自然界への犯罪でもあります。
少々の暑さは我慢し、できれば風力や太陽光などのエネルギーを依存していくのが順当ですが、電力会社との問題でいまだに自分で作って自分で消費することもできません。太陽光も水力発電も小さな規模なら条件次第でいくらでも発電可能ですが、送電会社と電力会社がひとつになっている日本では電力の自由化とは名ばかり、送電費用の関係で非常に高い電気を買わされているという現実があります。
日本はまだまだたくさんの改良の余地があるポテンシャルの高い国です。強欲な企業(組織)と国際政治的な裏取引もからんでエネルギーの問題はほんとうに複雑で不透明で深刻な問題です。
でも、子どもたちのために今何ができるのか、私たち大人はさらに真剣に考える必要があるというのも事実です。
この手紙を書いている部屋は西日が入りカーテンを閉めてもポカポカと暖かく汗だくになります。冷房の温度を下げたくなるのが人情ですが、そこは拭き掃除とか洗濯とか、水仕事でもして涼むことにします。水で手を洗うだけでも体温が下がり汗が引く、これが最近の私の暑気払いになっています。
どうぞお体に気を付けて、今年の夏もまたお元気にお過ごしくださいますように。
2014/08/04 高瀬千図拝