2015/12
野性的な本能

立山連峰の雪化粧

写真は我が家の窓から見える今日の立山連峰。先日の嵐ですっかり白くなりました。

夜中にものすごい雷と稲妻、ビルが揺れるくらいすごくて何度か目が覚めたものの次の稲妻を待つには時間が時間。午前三時くらいのできごとで、眠気に勝てず稲妻を見逃しました。

いつも人に変わってる、と言われますが、台風大好き、雷と稲妻大好き、狼大好き、とどこか野性的な本能が人より強い気がします。台風が近づくと風が生暖かくなり渦を巻くように吹き付けてきます。田舎育ちなので、台風が来ると稲田が風の形に動いていくのを見るたびにワクワクしました。

父がまた似た者同士でキャンプ好き。お米だけ持って島に行き、後はみんな自然から調達する、といったことを夏になるとやっていました。今でも野山の植物のなかで食べられるものはすぐに分かるし、海に行っても同様です。

かつて水銀汚染の取材でアマゾンに入ったとき、無事に戻ってきたお祝いにと知り合いのフランス人がリオデジャネイロの豪邸に招いてくれました。治安が非常に悪い頃で、屋敷の前にはライフルを持った男が二人警護に当たっており、中に入ると向こうから大きなドーベルマンがものすごい勢いで私の方へ向かって走ってきました。

私は思わずしゃがみ込み、両手を差し出して「おいで」と笑いかけたら、その立派な番犬は私の前まで来てくるりとお腹をみせてキュンキュン甘え鳴きしながらクネクネ体を動かしました。

とたんに飼い主には「もうお前は首だ」と怒鳴られていました。どうやら私は動物とは人間より心がダイレクトにつながるらしい、と思った出来事でした。

 

立山連峰にはいまだ狼がいるのではないか、と密かに信じる人たちがいます。険しい山の森の奥のどこかに生き延びているのではないか、と。これはロマンティックな想像に過ぎないながら私も信じたくなっています。

狼を導入したイエローストーン公園では草食動物の害から自然が守られ、泉が湧き出し森が育ち、環境が回復しているとの報告があります。自然には自然の法則とバランスがあり、壊したのは人間に違いないのですが、今、日本で狼を野生に戻そうなどと言うと気狂い扱いされます。

12月1日に発売に成った拙著『龍になった女-北条政子の真実』のなかにも狼が登場します。

『おくり狼』です。
これは狼の生態学者が経験したほんとうの話です。狼は人を襲いません。道案内すらしてくれる知能の発達した生き物です。

カナダでの話ですが、雪で車が入っていけなくなり、夜中に家まで7キロの雪道をひとり歩かなくてはならなかった女性の生態学者の報告によれば、三頭の狼が近づいてきて彼女のそばを音も立てずについてきて、無事家に辿り着いたのを見届けて雪の森に消えていったそうです。

これが『おくり狼』と言われるものですが、今ではすっかり別の意味に使われてしまっています。来年は何が何でも狼に会いに行こうと思っています。

2015/12/06 高瀬千図拝

 

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