2018/05/06
貧乏人は気前がいい

ドイツの毛糸で編んだ子供の帽子

平成30年5月某日
貧乏人は気前がいい。金持ちは 吝嗇 りんしょくである。吝嗇だから金持ちになったという説がある。あるものを失うのは怖い、お金があるだけ、なくなった時の恐怖心が人より強いだけなんだろうと思う。

貧乏人は気前がいい。
だからいつまでも貧乏。

ただ、お金がないのはつらいことだから、人にはなるべくお金を使わせないようにする。だから、貧乏人は一見気前がいい。互いを思いやって、相手にはお金を使わせないようにして、自分が払う。

よって、貧乏人はいつまでも貧乏なままである。
 

友だちが久しぶりに来たので、ずっと冷凍庫にとってあった鴨を焼いた。野菜をいろいろグリルで焼いてオリーブ・オイルと塩を振って出した。特にパプリカは焼いて皮を剥いてマリネにすると美味しいし、見栄えがする。きのこは天ぷらにした。マイタケはとくにおいしい。糠味噌ぬかみそもいろいろ切って出した。

おかげで食卓はとても彩り豊か。ごちそうに見える。

すると帰りがけ、その友人は「こんな贅沢してるからいけないんだ」と言った。「貧乏人は納豆とめざし食ってればいいんだよ。それで人間生きられるんだよ」

その人の奥さんは料理ができない。私が造った料理の大半は野菜。鴨は半年前、お正月に娘に食べさせたくて買ったもの。半年も冷凍庫に入っていたとは言えなかった。
 

2018/05/06 高瀬千図

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