陰と影 初雪の朝 静寂と歓喜がはじけ散る トランペットの高らかな音 続く弦楽器の繻子の響き 音のない交響曲が大気を揺らす 大地は白 木々の影は青 空は群青 まぶしさに閉じたまぶたを横切る 鳥の影 息を詰めた私に まるで世話焼きの老いた乳母のように 涙があわてて 目に薄絹を掛ける