日本の面影

著者:ラフカディオ・ハーン
翻訳:池田 雅之 出版社:角川書店
 

読んでいると明治初期の日本の姿が驚きに満ちた賛嘆と共に語られ、その描写もすばらしく、読む方もまた脳裏にその光景が鮮やかに浮かんできます。

妖精が住んでいる国、どこを見ても陶然とさせられる美しい田園風景とハーンは書いています。外国人を警戒しない人懐っこい人々。誰もが礼儀正しくて親切。

世界にはこんな国がほんとうにあったのか、とハーンはその感動を書き綴っています。

慎ましく無駄なものがない日本人の住まい方は、物をたくさん飾りたがるヨーロッパ文化よりずっと洗練されているとハーンは語っていますが、西洋式の生活は確かに便利で、私など今や椅子なしに暮らすことはできません。

ハーンの『日本の面影』は私たちの暮らし方をもう一度考えてみるよい機会になりました。
この本については、2015/10 暮らし方を考える でも紹介しています。