2010/01
意識が変わると世界が変わる

雪景色

新年明けましておめでとうございます。いよいよ2010年のスタートです。

今年はひとことで言えば『改革の年』ということになります。社会的には政治制度改革、企業などの組織改革などが起きてきますし、個人にとっては価値観などの意識変革を迫られる一年となります。

しかし『自己変革』といっても言葉で言うほど簡単なことではありません。ふつう、なんとなくものごとがうまくいっている時は、変えるべきことが分かっていても、「明日から始めよう」と、つい一日延ばしにしてしまいます。いよいよどうにもならなくなり、困難な状況に立ちいたって初めて私たちは本気で変えよう、変わろうとし始めます。
 

究極的に言えば、困難によって大いなる自己変革が可能になったり、気づきがあったり、成長する機会になったりします。ということは、人生においては何が起きようとも、実は不運を嘆く必要はないということになります。

起きることはすべて『もっとも良い方向へ、もっとも早く辿りつくために』自らが引き起こしているということです。「そんなバカな。不幸な体験を自ら望むなんてあり得ない」と反論したい方もあるかもしれません。誰が好きこのんで病気になったり、困難な状況に立ちいたったりするだろう、と。

でも、ここで敢えて申し上げたいのは、『真の意識変革が行われたら、ほんとうに世界が変わる』ということです。
 

そこで私の大好きな話をひとつ。

ある若い男性が東京の郊外にマンションを買いました。駅のそばの線路脇。いささか騒音はあるだろうけれど、残業や付き合いで帰宅するのは深夜。しかも終電だったりする以上、後はもう静かなはず、そう彼は思っていました。

実は、毎朝4時に貨物列車が通るのですが、そのことを彼は知りませんでした。午前1時頃ようやく眠りに就いても毎朝4時には貨物列車の轟音で飛び起きてしまいます。毎朝のことです。彼はとうとう不眠症になり、職場でもきちんと仕事ができなくなりました。

そんな場所に住まいを買った自分にも、その貨物列車にも腹が立ってなりませんでした。そんな彼の様子を見かねた同僚に勧められて、ある日、瞑想の指導を受けました。瞑想をすると少し心が安らぐ気はしました。

しかし、ほんとうの奇跡は10日目に起きました。その朝もまた貨物の轟音で目覚めた彼は、ふっと思いました。「こんな時間に電車を動かしてくれている人がいる。都会にいろんな物を運ぶために・・・。ああ、彼はいったい何時に起きて働いているのだろう」そう思ったとたん、涙が溢れました。「ありがとう、ありがとう」と思いました。

その朝以来、毎朝通る貨物列車の轟音は彼を応援してくれる声に変わりました。「僕もがんばってるよ、君もがんばれ」と。現実は昨日も今日も同じだけれど、意識が変わると世界が変わるという、これもひとつの例ではないかと思います。

今年が皆さまにとって意義ある、素敵な一年となりますように。

2010/01/05 高瀬千図拝

 

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