2010/05
きっかけはPCクラッシュ

いつになく長かった冬も終わり、いよいよ春の到来ですね。
先月初めころに八年間使っていたパソコンが壊れてしまい、結局どうにもならず、新しいものに買い換えて、ようやく使い方に慣れてきたところです。

以前にも一度、突然壊れたことがあり、その時はバックアップを取っていなかったので、相当にショックでした。それ以来、少し利口になってバックアップをまめに取るようにしていますが、今回はメールアドレスが全部消えてしまい、あちこちにご迷惑をおかけすることになってしまいました。

気のせいかもしれませんが、自分のエネルギーが大きく変わるというか、意識がシフトする度にパソコンが壊れているようにも思います。でも、突然反応しなくなる、というのはやはりショックではあります。

そんな時、何かが慰めようとしてくれたのか、とつい思ってしまうのですが、仕事をしていると書斎の窓の外で青い光のようなものが飛ぶのが見えました。ふと目を上げるとオオルリという小鳥でした。メーテルリンクの青い鳥に出てくるような、ほんとうに目の覚めるような青い羽。それが目の前の木の枝に止まっていました。その姿はまさに青い宝石のようでした。オオルリはこのあたりでもとても珍しい鳥です。

それがきっかけで、このあたりの小鳥たちのことをもっと知りたくて、インターネットで調べていたら、あるバードウォッチャーのサイトに出会いました。きれいな小鳥の写真がたくさん出ていましたが、その方がいまだに撮影できていない鳥が「クロツグミ」だとありました。

クロツグミ・・・。写真を見ると、私が散歩の時によく出会う小鳥で、鳴き声が美しく、しかも私が歩くにつれていつもついてくる鳥です。その鳴き声をまねて私が口笛を吹くと、かならず鳴き返してくれます。だから、クロツグミに出会うと、私はしばし足を止めて、語り合うことにしています。延々と私が飽きるまで会話(?)は続きます。変わった小鳥です。

今朝は少し早く起きて小鳥たちの餌になるヒマワリの種を庭に置いていたところ、林の中を鹿の群れが降りてきて、目の前で立ち止まりました。六、七頭いました。しばらくの間、お互いの姿を眺め合って、気が済んだかのように彼らはやがてまた森の中に走り去っていきました。

圧倒的な自然の中にいると、ときどき自分が人間だということを忘れているときがあります。思考が止まり、ただそこにある自然の多様さに心打たれているだけという感じです。

それでも突然、森の中で狐に出会ったりすると、彼らは警戒しながらすばやく遠ざかってしまいます。そんなとき、私が自分が人間であることを忘れてしまうように、彼らもまた私が人間だということを忘れてくれたらと思います。森の中の暮らしは毎日、発見と感動の連続です。

2010/05/05 高瀬千図拝

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