今年のお天気は荒れ模様のようで、4月3日に通過した低気圧は台風なみでした。あまり風の吹かない我が家の周りも強風に煽られて森の木々が大きく揺れていました。
先日来、次女の引っ越しの手伝いで富山と長野を何度か往復しました。かつては難所中の難所であった安房峠。すさまじいヘアピンカーブが延々と続き冬場は通行止めになるところですが、今は安房トンネルが開通したおかげで上高地から一気に高山方面に抜けることができるようになりました。
いつも驚かされるのは、安房トンネルを境に天候は極端なまでに変わることです。太平洋側は晴天でも日本海側は大雪という日本。列島の背骨のようなアルプスが連なっているせいでまったく違った気候になり、松本側は晴れていてもトンネルの向こうでは吹雪いていたりします。
細い曲がりくねった道が続き、雪の山道はとくに気をつけなくてはならずいつも緊張します。今もまだ寒気のせいで安房峠あたりは雪のようです。
乗り始めてから16年目にはいった私の愛車はいまだによく走ってくれます。手入れがいいとか、大事に乗っているからだとか車検のたびに言われますが、確かにたいした故障もなくて未だに快適、走りも健在です。
新しい車に買い換えたいとか、もっと燃費も良くて大きなエンジンの車が欲しいとか思うこともあるのですが、今のところせっかく走ってくれているものを廃棄する気にはどうしてもなりません。
エコとは言うけれど、燃費ばかりが話題になり、車一台生産するために使われるエネルギーのことは言及されません。全体的に見て、走ってくれる間は大事に乗るのがエコ的にもいいのではないかというのが私の結論です。
ホ・オポノポノのヒューレン博士はスバルに20年乗っていらっしゃるとのこと。脱帽です。
ただこのような事情のお陰でこの日本にはまだまだたくさん訪れたことのない素敵な場所があることに改めて気づかされます。上高地を過ぎ、安房トンネルを抜け、その先にある奥飛騨の渓流の美しさはなかなかのものです。それにまた海からいきなり立ち上がる雪をいただく立山連峰も圧巻です。
これまであまり国内を旅行したことがないせいか今さらながらこの国の美しさ、景色のひとつひとつに心奪われます。
土地ごとに異なる気質、人柄の違いも面白くて、土地と気質について語っていた空海の説を実地に体験してもいます。開けた場所、海のある街、内陸、山間の村、その環境で人の性格や意識のあり方が変わるのだと空海は語っています。
山が海になだれ込んでいるような富山。ここの人たちはとても親切です。隣には洗練された小京都・金沢があるからでしょうか、どちらかというと富山県人は素朴で人なつっこくて控えめなようです。
子供の頃、はるばる長崎までやってきた富山の薬売りのおじさんたちの顔がそこに重なります。なんだか懐かしい風景です。
これからはもう一度[ディスカバー・ジャパン]かな、と思う今日この頃です。
2012/04/06 高瀬千図拝