2014/05
自己管理能力の欠如

ここ富山ももう初夏の陽気。風に誘われて先日 称名滝しょうみょうだき まで行ってみました。平地では終わってしまったフキノトウ、土手にはノビル、小川にはセリが繁茂しているのを見つけ、嬉しくなってたくさん積んできました。

海もまた春の魚が上がり始めました。魚にも季節があり、春はサヨリ、キス、マイワシ、ホタルイカ等々。さて、何をどう料理しようかと、いささか興奮を覚えつつ食卓作りを楽しんでいます。

 

ある大学の工学部で受験審査をしている友人から聞いた話ですが、パイロット養成コースではペーパーテストの前に健康チェックを行うとのこと。その結果は驚くべきもので、受験者500余名中の半数以上が20才未満にもかかわらずメタボ。つまりすでに成人病かその予備軍だったそうです。

 

試験官たちは首をかしげたそうです。

「何を食べたらこんなひどい体になるんだ。ジャンクフードでも食べ続けなくちゃ、こうもひどい体にはなれないぞ」と。

結果として半数の若者が受験資格を失ったそうです。

 

一般的に男子の場合はとくに高校までは母親の世話を受けています。しかし、上記の話はそれすら崩壊の危機にあることを示しています。つまり母親もあまり料理をしていない、ましてや本人はジャンクフードが大好きという。もしこれで無事に大学に進んだとしても、問題はさらに大きくなります。

料理ができない男子がほとんどだからです。しかも、ハンバーガー、牛丼、ラーメンと、どれも男子の大好きな糖と脂質がたっぷり、ビタミンやミネラル欠如の食べ物が巷には溢れています。

ただでさえ面倒くさいことはしたくないのですから、つい外食が増え、結果的に若年ですでに成人病、もしくはその予備軍ということになります。しかも今の子供は基礎体力が甚だしく低下しています。

 

料理の仕方は母から子に伝えられるもので、一緒に台所に立たない限りなかなか覚えられるものでもありません。しかも料理作りはどうしても経験による勘が必要で、毎日作っていてようやく分かってくるようなところがあります。

これは料理だけでなく家事全般にも言えることです。自分の暮らしというものをデザインし、運営できない人は男女ともに増えてきています。核家族の弊害でしょうか。

きつい言い方になりますが、これはまさに『自己管理能力の欠如』ということです。

ではどうしたらいいのか。
やはり小さいときから男の子にも料理と裁縫、洗濯の仕方等を教え、女の子にも大工仕事と電気器具の扱い方についても教えるべきではないかと思います。

掃除、洗濯、裁縫、料理、ちょっとした大工仕事。一般に家事といわれるものが女の仕事とされてきたこの国のやり方は、専業主婦がいて家事育児に専念できた古き良き(?)時代の遺物です。今では女子も仕事をしますし、社会進出はこれからますます加速するでしょう。

会社での仕事、子どもの世話、家事全般、それが女性の背中に重くのしかかり、女性の結婚したがらない症候群を生み出す一方で、一人暮らしの男子はメタボ予備軍という日本の現実。

改善の余地ありです。

つまり、男女を問わず自己管理ができれば結婚も子育てもうまく行きます。それに料理ができる人に悪い人はいません。おいしく食べさせる、というのは愛情表現の最たるものだからです。それに料理作りは健康だけでなく脳の活性化や老化防止にも役立ちます。まさに一石三鳥が期待できる!のです。

2014/05/05 高瀬千図拝

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