2016/07
ダライラマ法皇との約束

ここ八ヶ岳に戻ってひと月になります。この土地が気に入って、家を建てたのは15年前、ペンキも塗り替え、修理も終わり、今は緑の森の中の小さな白い家という状態になりました。

かつて落葉樹だけ残してカラマツは伐採しました。カラマツは詩に歌われるほどロマンティックな木ではなく、実はとても根が浅く、たとえ大木であっても嵐が来ると簡単に倒れてしまいます。油分が多いのでストーブの煙突が詰まったりして薪にも向かず、乾くと歪むので建築材にもならない、いわば厄介な木です。

ただし、秋に黄色に染まり、葉が落ちて時雨が来る頃になると、その香りのなんと素晴らしいことか。エッセンシャルオイルの中を歩いているような清涼感があります。
 

15年にもなると我が家の庭の木もすっかり大きくなり、鬱蒼としてきました。そろそろ間伐しなくてはね、と庭の手入れをお願いしている方と話しています。

それにしてもこの梅雨のさなかでも、森に落ちる雨は美しく、今はヤマボウシの白い花が満開です。実はこれも花ではなく、がくに当たる部分で秋には赤い実になります。甘くて食べても問題はないのですが、種が大きく鳥たちもあまり相手にしません。もっぱら庭に置いたヒマワリの種に夢中です。

富山に行く前、毎晩我が家のベランダに来ていたキツネさん、どうしたのか全然姿を見せません。でも、ある晩、奇妙な動物が現れました。ハクビシンです。二匹。ハクビシンを見るのは初めて。北杜市ではいろいろ悪さをしている話を聞いてはいましたが、ついにここまでやってきたとは・・・。

天敵がいないし、肉食だし、友達の猫ちゃんはハクビシンに襲われて亡くなりました。そんなことを考えていると、なんだか自然もまた人間の世界を映している気がします。
 

アメリカに住む娘は海外出張が多く、先日はベラルーシとかポーランドとか。あまりに忙しかったので、夫婦で休暇を取りフロリダに行くというので、テロの後だけに母としてはまた取り越し苦労。マイアミに近い方だから大丈夫、心配しないでと言ってきましたが、今や安全なところなどどこにもない、というのが事実です。

四十年前のこと、サイキックの友人から、地球が進化し、新たなレベルにシフトするときの妨げはイスラム教になるだろうと聞いたことを思い出します。だからといってイスラム教徒が悪いわけではなく、頭の悪い一部の人たちがコーランを勘違いしているのがテロの正体。

同じ友人が言ったことでもうひとつ。

進化の前には目を覆いたくなる悲劇、悪人たちが跋扈するだろうが、決して絶望してはいけない、無知の闇が終わるときだと思いなさいとのことでした。

そうであることを祈ります。でも、その前にたくさんの犠牲者もまた生まれるでしょう。平和裏に進むことはできないのでしょうか。

しかし、ここは自分自身の投影の世界。人間の愚かさを他人のことと達観せず、自らの無知に気づく機会にしたいと思います。

今を大切に、やさしい心で、日々を丁寧に生きていく、生を与えられたことに感謝しつつ、人々の幸福と平和を願う・・・。小さな私も大河の一滴なのですから。

ずっと以前からのこと、これはダライラマ法皇との約束になっています。

2016/07/06 高瀬千図拝

 

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